2026/10/27
先に答えを書くと、和食に合う日本酒は「料理の味の濃さ」に合わせて選ぶと、まず外しません。お造りや白身魚のようにあっさりした料理にはすっきりした辛口の純米酒、煮つけやすき焼きのように甘辛い料理には、山廃のように旨みと酸がしっかりしたお酒。ラベルの細かい用語を全部覚える必要はありません。

「日本酒は好きだけど、正直どれを頼めばいいのか分からない」。そう感じている方は、意外と多いのではないでしょうか。銘柄が並んだメニューを前にすると、結局いつもの一本か、いちばん有名な名前を選んでしまう。それでも十分おいしいのですが、料理に合わせて一杯ずつ選べるようになると、和食はもう一段おもしろくなります。
この記事では、新大阪・東三国の和食店「和食 雄」で実際に置いている地酒を例に、和食と日本酒の合わせ方の目安をまとめました。
ラベルで見るのは「純米」「吟醸」「山廃」の3つで足りる
日本酒のラベルには情報がたくさん書いてありますが、料理と合わせるときに見ておきたいのは次の3つくらいです。
- 純米:米と米麹と水だけで造ったお酒。米の旨みが素直に出やすく、食事と合わせやすいものが多いです。
- 吟醸・大吟醸:お米をよく磨き、低い温度でじっくり発酵させたお酒。果物のような華やかな香りが特徴です。「純米吟醸」は、純米で造った吟醸酒のことです。
- 山廃(やまはい):酒のもとになる「酒母」を、時間をかけて自然の乳酸菌で育てる昔ながらの造り方。酸味と旨みに厚みがあり、温めてもおいしいものが多いです。
このほか、ろ過をしていない「無濾過」は味が濃いめ、火入れ(加熱殺菌)をしていない「生酒」はフレッシュで、冷やして飲むのが基本です。「辛口」「超辛口」は甘さが控えめという意味で、すっきりした飲み口のお酒によく付いています。
料理別・日本酒の合わせ方の目安
考え方はシンプルで、軽い料理には軽いお酒、しっかりした料理にはしっかりしたお酒です。料理とお酒、どちらかが勝ちすぎないようにすると、両方の味がよく分かります。
| 料理 | 合わせやすい日本酒のタイプ | 和食 雄のリストなら |
|---|---|---|
| お造り(白身・貝) | すっきりした辛口の純米酒 | 春鹿 超辛口 純米酒、船中八策 超辛口 純米酒 |
| お吸い物・椀物 | 香りが穏やかで、口当たりのやわらかい純米酒 | かたふね 純米酒、本金 純米酒 |
| 天ぷら・揚げ物 | キレのある辛口。油を流してくれる | 船中八策 超辛口 純米酒、八海山 純米吟醸 |
| 焼魚・塩焼き | 旨みのある純米酒 | 天穏 無濾過 純米酒 |
| 煮つけ・炙り牛すき焼き | 酸と旨みがしっかりした山廃や無濾過 | 天狗舞 山廃仕込み 純米酒、天穏 無濾過 純米酒 |
香りの華やかな吟醸酒は、それだけで飲むととてもおいしい反面、出汁の繊細なお椀と合わせると香りが前に出すぎることがあります。吟醸酒は食事の始まりの一杯や、塩で食べる料理と合わせるのがおすすめです。
もちろん、これはあくまで目安です。同じ「お造り」でも、鯛と鰤では脂ののり方がまったく違いますし、その日の料理によって合うお酒も変わります。
温度でも味は変わる|冷酒・冷や・燗の違い
日本酒は、温度で味の印象が大きく変わるお酒です。呼び方が少しややこしいので、整理しておきます。
- 冷酒(れいしゅ):冷蔵庫で冷やしたお酒。香りが落ち着き、すっきり感じます。生酒や吟醸酒向き。
- 冷や(ひや):実は「常温」のこと。お酒本来の味がいちばん分かりやすい温度です。
- 燗(かん):温めたお酒。旨みとふくらみが増します。40℃前後の「ぬる燗」から試すと、違いが分かりやすいです。
山廃や純米酒は燗にすると表情が変わるものが多く、寒くなってくるこれからの季節、煮物や鍋と合わせるとぐっとおいしくなります。秋には、冬に搾ったお酒を夏のあいだ寝かせて出荷する「ひやおろし」も出回ります。角がとれてまろやかになったお酒で、秋の旬の食材とよく合います。
和食 雄に置いている地酒
和食 雄の日本酒は、店主が自分で味を確かめて、料理に合うと納得したものだけを仕入れています。2026年10月時点のラインナップは次のとおりです(1杯の料金・税込)。
| 銘柄 | 産地 | 料金 |
|---|---|---|
| 天穏 無濾過 純米酒 | 島根 | 800円 |
| かたふね 純米酒 | 新潟 | 800円 |
| 本金 純米酒 | 長野 | 800円 |
| 天狗舞 山廃仕込み 純米酒 | 石川 | 800円 |
| 春鹿 超辛口 純米酒 | 奈良 | 800円 |
| 船中八策 超辛口 純米酒 | 高知 | 900円 |
| 本金 | 長野 | 950円 |
| 船中八策 生酒 | 高知 | 950円 |
| 八海山 純米吟醸 | 新潟 | 1,000円 |
見てもらうと分かるとおり、ほとんどが純米酒です。華やかさよりも、料理と一緒に飲んで邪魔をしないこと、むしろ料理の味を引き立ててくれることを大事にしています。仕入れによって銘柄が入れ替わることもあるので、最新の内容はお飲み物のページか、お店でご確認ください。
日本酒を飲まない人がいても大丈夫
会食や家族での食事だと、全員が日本酒好きとは限りません。和食 雄には、麦・芋の焼酎、梅酒、グラスワインやボトルワイン、ハイボール、ノンアルコールビールもあります。乾杯はビール、お造りから日本酒、という流れでも、もちろん問題ありません。
迷ったら「今日の料理に合うのを」で大丈夫
ここまで書いてきましたが、いちばん確実なのは、料理を作っている人に聞くことです。割烹のカウンターなら、「辛口が好き」「重いのは苦手」くらいの好みを伝えて、「今日の料理に合うものを」と頼めば十分です。店主はその日の献立を知っているので、次に出てくる一品まで考えて選べます。
割烹そのものの楽しみ方は、大阪の割烹とは?会席・懐石・料亭との違いと楽しみ方でも紹介しています。
よくある質問
Q. 和食に合わせるなら、甘口と辛口どちらがいいですか?
A. 迷ったら辛口の純米酒からがおすすめです。お造りや天ぷらなど、和食の多くの料理と合わせやすいです。煮つけのように甘辛い味付けの料理には、旨みのある山廃や純米酒も合います。
Q. 「冷や」は冷たいお酒のことですか?
A. いいえ。「冷や」は常温のお酒のことです。冷蔵庫で冷やしたものは「冷酒」と呼びます。
Q. 吟醸酒は和食に合いませんか?
A. 合わないわけではありません。香りが華やかなので、食事の始まりの一杯や、塩で食べる料理、白身のお造りなどと合わせると楽しめます。
Q. 和食 雄の日本酒はいくらですか?
A. 1杯800円から1,000円(税込)です。島根、新潟、長野、石川、奈良、高知の純米酒を中心にそろえています。
Q. 料理に合わせて日本酒を選んでもらえますか?
A. はい。お好みを伝えていただければ、その日の料理に合わせておすすめします。
和食 雄について
和食 雄は、Osaka Metro御堂筋線「東三国駅」から徒歩約5分、JR・新幹線「新大阪駅」から徒歩約9分の和食店です。北新地の割烹「石和川」で修業し、オーストラリアで公邸料理人を務めた店主・米澤雄大が、その日に仕入れた魚介と地酒でおもてなしします。コースは5,500円(税込)から。
ご予約はLINEのオンライン予約、またはお電話(090-7965-9963)でどうぞ。営業時間は17:00〜22:00、日曜定休です。